2018年4月20日にソニー・インタラクティブエンタテインメントから発売されたPS4用ソフト「GOD OF WAR」をクリアした後の感想と評価などについて紹介していきます。
ゴッド・オブ・ウォーシリーズは本作も含めると7作品目で2005年から続く人気シリーズで、今までどおりのアクションに加えてストーリーも素晴らしいものになっています。
前作を知らなくても問題なく楽しめますが、以前までのクレイトスを知っているとより感慨深くなること間違い無しのストーリーになっています。
目次
今作の特徴
7作目となるゴッド・オブ・ウォーの特徴をまとめておきます。
基本的に1本道のアクションゲーム
最近ではマップ上のどこにでも自由に移動できる「オープンワールド」が主流になっていますが、ゴッド・オブ・ウォーでは基本的には1本道のアクションゲームとなっています。
1本道だと古臭くて自由度が少ないと感じてしまうかもしれませんが、それを補うほどのストーリーと探索要素が含まれていて、オープンワールドではないゲームの最先端のゲームだと実感出来る作品になっています。
ゲームを開始するとロードは一切なし
今までのゲームではエリアが変わったり、場面転換が行われる時には当然のようにロード画面が出てきて一定時間待たされることになります。
ゲームに慣れている人であればロードはあって当然なものなのでそれほど気にはなりませんが、ロード画面になると一旦集中が切れて休憩をしてしまうので、ストーリーを追うゲームでは没入感の邪魔をしている所もありました。
ゴッド・オブ・ウォーでは開始時やコンティニュー時にはロードがありますが、それ以外には一切ロード画面は存在しません。
プレイ中であれば物語の始まりから終わりまで途切れなく、全て主人公のクレイトスの後ろからカメラが追従するようにストーリーが進んでいくのでロードに邪魔されずストーリーに没頭することが出来ます。
さらに画面が暗転して別の場所に移るという事もないのでクレイトスと息子のアトレウスと一緒に旅をしているような感覚にもなる事ができるので、このストーリーへの没入感は唯一無二のものになっていると思います。
ひねくれた見方をすればこの裏でロードを行っているんだろうなと感じる場面もありますが、その間でもキャラは動かせますし話の掛け合いなども行われるので、意識しないと分からないストーリーを邪魔しない作りになっているのは素晴らしいと感じました。
爽快な戦闘
ゴッド・オブ・ウォーといえば豪快なアクションがありますが、今作は前作までのような多数の敵をまとめてザックザクと倒すというよりも、より1対1に比重をおいたような戦い方に変化しています。
ただそんなに戦闘が難しい訳ではなく、ある程度動きを覚えれば簡単に敵を倒すことができます。
1対1で戦う事が多いからと言って単調になるのではなく、強攻撃と弱攻撃を使い分けると敵を空中に浮かせて連続攻撃ができたり、技を使うと豪快に倒すことが出来たりと爽快感もしっかりと感じることができます、
またゴッド・オブ・ウォーと言ったら残虐な倒し方でもあるゴア表現も健在で、以前と比べると残虐性はかなり減りましたが、豪快なフィニッシュブローも見ることができます。
今作では息子のアトレウスも戦闘に参加して手助けをしてくれます。今までは1人のみで戦ってきていたので、シリーズファンとしては真新しさがあるかもしれません。
グラフィックはとても綺麗
今のゲームでは当然のようになってきましたが、グラフィックはとても綺麗です。
今回の舞台では森や山が舞台になることがほとんどですが、森の木や水の表現も綺麗ですし、寒さや空気感まで伝わってくるようなので、特にストーリーで訪れる魔女の家という場所の紅葉は息を飲むような美しさでした。
なのでグラフィックに相当なこだわりをもっていない限りは満足するレベルになっていると思います。
またPS4proであればグラフィック重視かパフォーマンス重視かを選ぶことが出来ますが、おすすめはパフォーマンス重視です。
パフォーマンス重視でもグラフィックは十分きれいですし、さらにキャラの動きの滑らかさを表すFPSが安定してヌルヌル動く感じが味わうことができるので体感してみて欲しいです。
探索要素が豊富
ゴッド・オブ・ウォーはオープンワールドではないので、それほど広大なマップとは言えませんが決して小さい訳ではないマップが用意されていて、その中でストーリーが進む毎に探索できるエリアが増えていき、さらにその中でサブクエストなどが受注することが出来るようになります。
ストーリーだけを追ってクリアしてしまえば短時間で終わってしまうのは事実ですが、このような探索をしっかりと楽しむことができればボリュームはしっかりと感じることが出来るので物足りないという事はないと思います。
今までのストーリーを知らなくても楽しめる
7作も続くシリーズをいきなり今作からプレイするには「前作までのストーリーを知っておかないと話しについていけないのでは?」と考えている方もいると思いますが、今作は今までの物語を知らなくても楽しむことは出来ます。
今作のストーリーはある理由から主人公の不器用で口下手なクレイトスとその息子が2人で旅に出て目的を果たすまでの物語で、過去の登場人物はほとんど出てきません。
物語はギリシャ神話から北欧神話へ
今までクレイトスはアレスやゼウスなどのギリシャ神話の神々との戦いを行っていましたが、今作ではギリシャから舞台を北欧へ移したことで物語の登場人物なども北欧神話に出てくる神々がメインとなります。
北欧神話はオーディンやトール、アース神族やヴァン神族、ラグナロクなど聞いたことがある物から始めて聞くものまで神様の名前などがどんどん出てきます。
なので全く知らない人が聞くと置いていかれそうになりますが、アトレウスが人やモンスターなどについて、ひとことメモのように書き記してくれる「寓意譚(ぐういたん)」を確認すればある程度知ることができますが、しっかりと理解したい方は名前を一度検索して調べたほうがよりわかりやすくなるでしょう。
復讐から親子の物語へ
今までのゴッド・オブ・ウォーをプレイしてきた人は「ゴッド・オブ・ウォー=復讐の物語」というイメージがあると思います。
実際前作まではクレイトスが復讐に燃えてそのためなら神々であっても容赦しないという言わば復讐の鬼であったクレイトスですが、今作では再び父親となり復讐ではなく目的の為、アトレウスを守る為に行動していきます。
今までのクレイトスは何の罪もない民間人を攻撃して倒したり(日本版では規制済み)その上倒すと体力が回復するような場面もあったりと、暴れん坊のイメージしかなかったクレイトスが父親としての一面を不器用ながら覗かせていくという物語は「あのクレイトスがなぁ」と感慨深いものがあります。
そういう面では前作までをプレイとまではいきませんが、クレイトスがどんな人物であったかを知ることでより大きく感じることが出来ると思います。
旅の中で親(クレイトス)と子(アトレウス)が共に成長して困難に立ち向かっていくという王道ではありますが、王道であるからこそ素直に心に入ってくる内容となっています。
イマイチな点
あまり不満は見当たりませんが、敢えて言うならばというゴッド・オブ・ウォーのイマイチな点を紹介していきます。
マップが少し物足りない
今作では大きめのマップ1つと小さめのマップがいくつか用意されていて、大きいマップはそれなりに行ける場所が多く決して小さいわけではありませんが、オープンワールドに慣れていると小さく感じてしまうかもしれません。
そのマップも飽きさせないようにある工夫がされていて、どんどん探索できる範囲が広がるんですが、やはり同じマップなので代わり映えしません。
さらに同じ場所に何度も行くことになるので、どこまで探索したかな?と分からなくなることもありました。
ただ、最初に訪れた時に取れなかったものがどんどん取れるようになっていくのは楽しくもあったのでマップが小さめなのが一概に悪いと言う訳でもありません。
移動に時間がかかる
ゲーム開始からクレイトスの後ろを常にカメラが追うような視点で進んでいくので、没入感は凄いですが、その分移動シーンもカットされることはないので昇降機の上がり下がりを行う場合も最後まで待つ必要があります。
何度も行き来する場合はもうちょっと早くできたらと感じることはありますが、それほど昇降機に乗る機会も多くはないのでそこまで気にはならないかもしれません。
ボスがもう少し欲しかった
ゴッド・オブ・ウォーでは巨大な神話の神々や生物と戦うことも珍しくなく、今作もそのような戦闘が用意されていて、やはりどデカい敵と戦うのはテンションが上がります。
ですがそのようなボスの数は前作までに比べるとかなり数は少なく感じました。
中ボス的な敵はたくさん出てくるんですが、同じ種族なので仕方ない面もありますが、色違いやデザイン違いのような敵が多くもう少しボス戦というものがあっても良かったんではないかなと思います。
クリアした感想
私も実はオープンワールドのゲームが大好きでその辺をうろうろしているだけでサブクエストを大量に受注できてやる事が一杯だ!となるのを楽しんでいます。
一方でゴッド・オブ・ウォーはサブクエストはありますがそれほど大量と言う訳でもありませんし、紹介してきたようにストーリーは基本的には1本道です。
なので買う前は楽しめるか微妙ではありましたが、結果的にはどっぷりとハマって間違いなく神ゲーと言ってもいい内容のゲームだと思います。
戦闘も爽快ですし、なによりストーリーがとてもよく先が気になって仕方ありませんでした。
今作にはマルチ要素は一切存在しない完全な1人用のゲームなので、友達とワイワイやりたいという場合にはおすすめできませんが、ゆっくり1人でストーリーに浸りながらゲームをやりたいという方にとってはおすすめできる作品です。